ブランドストーリー

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美しい海を守るために「陸上養殖」を

美しい海を守るために「陸上養殖」を

学生時代から、海が大好きだった。
スキューバダイビングや釣りを通じて海の美しさや生命力に魅了されてきた。
そしていつしか、海をとりまく環境の変化や、食糧難などの社会問題に目を向けるようになった。

海洋汚染、過剰漁業、気候変動などにより、海の生態系が徐々に崩壊していく。
多くの海洋生物が、絶滅の危機に瀕している。
世界人口が増加し続け、食料需要が高まる一方、水産資源は減少の一途をたどっている。
このままでは、私たちが愛する美しい海は、遠くないうちに失われてしまうかもしれない。

自分にも、何かできることはないのか――。
模索を続ける中で出会ったのが、「陸上養殖」という一つの答えだった。

「タンパク質危機」という新たな課題

陸上養殖は、その名の通り、人工的に作られた陸上の施設で魚介類の養殖を行うことだ。
海面養殖に比べて環境負荷が少なく、水質管理や病気対策も簡単にできる。
それでも、日本では普及していなかった。ネックとなっていたのが、設備のコストだ。

そこで、代表の北代耕太は、自動車部品で培った樹脂加工技術を生かし、樹脂製の水槽を自ら開発した。
業界初となるUVカット材(劣化防止剤)を配合。抜群の耐久性を誇る画期的な水槽を完成させた。
その品質と安さは、業界内でも群を抜いていた。

抜群の耐久性を誇る画期的な水槽を完成させた

これなら、陸上養殖がもっと普及するはずだ。
そう確信し、全国を飛び回る北代だったが、水槽事業を通じて、新たな問題に直面した。

養殖産業における「タンパク質危機」である。

世界を救う「スピルリナ事業」への挑戦

「タンパク質危機」とは、人口増加に伴うタンパク質の需要が、現在の食肉や魚、大豆などの供給量を
上回ることで起こる社会問題のことだ。
水槽事業を通じてお客様と接する中で、養殖界にもタンパク質危機があることを知った。
養殖においては、魚粉が貴重な餌となるが、その原料となる魚が急激に減少しているのだ。
この問題を解決しなければ、人類が抱える食料危機を解決できない。
そう考えるようになった北代は、国連も認める「スーパーフードの王様」に着目する。

藍藻類に属する微細藻類「スピルリナ」である。
人間に必要な栄養を60種類以上含んでおり、特にタンパク質は100g中約70g。
「畑の肉」と呼ばれる大豆の約2倍だ。
吸収率も非常に高く、1日分の野菜の栄養素が小さじ1杯分のみで摂取できる。
スピルリナは、人類を救える可能性を秘めている――。

こうして、北代の新たな挑戦が始まった。

微細藻類「スピルリナ」

「三方良し」の精神で、未来の笑顔を創る

スピルリナは、野菜と比べて生産性が極めて高く、どこでも栽培できる
遊休農地を活用して屋外で栽培すれば、安心・安全な国産スピルリナを全国に供給できる。
光合成を行うため、地球温暖化の防止にも役立つ。
北代は、スピルリナ事業を全国に広げ、地域活性化や地方創生につなげる未来を描く。

株式会社SYは、
三方良し(Sanpou Yosi)」から名付けた社名だ。
「売り手よし 買い手よし 世間よし」
近江商人の哲学を胸に刻みながら、水槽事業とスピルリナ事業を展開する北代。

これからも、新たな地平を切り拓く革新者として、未来ある子供たちの笑顔のために、挑戦を続けていく。